東北地方大震災の近況報告(第4報) 4月3日付

 

震災から24日目です。ようやく春めいてきましたが今朝は最低気温がマイナス、まだ日中も暖房は欠かせません

昨日夕方現在の都市ガス復旧率は30%。全国のガス事業者2.700人の「復旧隊」を合わせ総勢3.200人で今月までに津波被災地を除く31万戸への完全復旧を目指しています。
未だに東北一の売り場面積を誇る西友「長町モール」がオープンできないなど閉店したままの店舗も多く、品不足となかなか好転しない燃油事情、JR・地下鉄、不通道路のなどの復旧遅れが市民生活に大きく影響している状況に変わりはありませんが、津波の被災地を除き、仙台市民は徐々に落ち着きを取り戻しつつあります。

慣れと諦めがそうさせているのかもしれません。

今日は、31日(震災21日目)に新潟から視察に来られた車に便乗し車中から被災地の一部を写真に収めてきましたので、ご覧いただきたいと思います。
国道45号線を通って塩釜市内まで行き、帰りは再開した仙台東部道路(宮城野区、若林区の浸水地域のまさに真ん中に位置します。
この高い堤防のような高速道によじ登って津波をやり過ごして数十人が助かったとのことです。)で仙台空港まで行きました。

通行を再開した国道周りであっても交通に差し障りのない程度の片づけのみで、震災3週間経過したにもかかわらずその傷跡は未だそのまま残されており、その凄まじさには思わず目をそむけたところです。

国土地理院が分析し発表した仙台市周辺の浸水状況も合わせて添付しました。七北田川、名取川、長町IC辺りで名取川に合流する広瀬川、それらの川に津波が逆流し川沿いに浸水したことがよく分かります。

この近況報告は主に開友会HPを通して会員の皆様に読んでいただいていますが、これを見た会員の方から、ご親族が被災し中には従姉妹が津波で流され未だ行方が分からない等の連絡がきています。

仙台にご縁のある方が多数おられますが、津波被災地の報道はあっても全国ベースでみると仙台市内の生活関連情報があまり流されていないこともあり、多くの方々から、津波被災地の発電所が全て停まっている中での今後の電力事情、汚水処理場の汚水汲み上げ大型ポンプが津波で流された後の生活排水の処理状況、仙台空港・JRの復旧見通し、農業・水産業の復興可能性、国の「海浜鳥獣保護区特別保護地域」に指定されている“仙台・蒲生干潟”の復元見通し等々、問い合わせがたくさん寄せられています。
確かに震災直後に発電所がすべて停まった、ポンプが流されたなどの報道はありましたが、その後のフォローを全国報道ではそれほどしていないようです。

次回の近況報告はその点に重点をおいて今週末までに整理し流すことにします。
             4月3日(日) 渡辺 陽一

 
浸水地図

国土地理院が分析した宮城県内の浸水状況です。

七北田川、名取川、名取川に合流する広瀬川沿いに津波が逆流していったのが分かります。

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